[飯田橋]アルクロード飯田橋店:スパイス記念日66

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アルクロード飯田橋店【ハリーム!北インドをもっと楽しむ】

2022.8.22、2022 CURRY161319食目、2017年以来カレー3267

《神田カレー街食べ歩きスタンプラリー32スタンプ27店目》

スペシャルメニュー 1400円 (北インドをもっと楽しむ ハリーム)

[食べログ] アルクロード飯田橋店 https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13264466/

 

 

「アルクロード」上等カレー発スパイスカレー店か北インドカレー店か

①日本におけるインドの食物と料理に対する印象の違和感

インドへは10回余りの渡航経験があります。仕事が重厚長大な製造業であるのも原因して、多く通ったのはムンバイ、アーメダバードあたりで首都デリーには1回しか行ったことがなく、一時経験した仕事の関係で、ゴア、ハイデラバード、チェンナイ、バンガロールという南インドを4~5回訪れた経験が実に印象的でした。

何が言いたいかというと、日本にいるとインドという国をほとんどの人が日本と同じサイズ、あるいは下手をすると日本よりもはるかに小さい国であるかのようにとらえる価値観で語られることが多いことを、渡航経験者として伝えたいのです。現地を多少なりとも経験したゆえに、大半の日本人が語るインドやインド料理に対する印象や知識があまりにも矮小化されていることに違和感を感じます。

日本にいても北海道、東北、関東、関西、九州、沖縄などに展開していくと、食材も料理も無数に異なる多様性があって、日本の料理すらも大半のものを私たちは知らないのです。それなのに、9倍の国土と10倍の人口を抱えるインドには、日本の10倍の種類の食材と料理があって当然なのにも関わらず、多くの人は、近場の町で見かけたナンカレーを10億人以上のインド人が揃って日々食べているように誤解しているのではないでしょうか。それは外国人が、日本人は全員毎日お寿司を食べていると思うのと同じことなのです。

日本ではよく、インド料理は北インド料理と南インド料理に二分されて論じられるのですが、それは日本人がインドのことにあまりにも疎いために極端にわかりやすくしている話です。北インドという表現一つだって、日本よりもはるかに広い国土を表しているわけですからすべての日本人の誰も知らないだけ。それどころか13億人のインド人もほぼ誰も知らないほどに無数の料理が存在するのですよね。アルクロードというお店を考えるに、今日の論点は一つそこがポイントだと思うのです。

 

②「アルクロード」という存在

■上等カレーとナディムさん

上等カレー飯田橋店およびアルクロードの店長ナディムさんは、以前は上等カレー神田小川町店で働いていました。

上等カレー神田小川町店

上等カレー神田小川町店と言ったら、2015年の神田カレーグランプリ優勝店です。上等カレーはそもそもが大阪甘辛カレーの大阪のチェーン店なのですが、東京神田での優勝を機にチェーン展開も大きくなっていきました。それゆえに上等カレー系列の中でも神田小川町店は特別に信頼度が高いのだと思います。

 

4-5年ほど前にナディムさんが上等カレー神田小川町店で働くようになり、その後、ナディムさんの作る特別メニューが定期的に提供されるようになりました。実はナディムさんって、南青山にある北インド料理の高級店で腕を振るったシェフなんです。その腕前たるや一般的なカレースタンドのチェーン店に収まるものではなく、その腕を見込んで、上等カレーも彼のメニューを出すことを特別に認めたわけです。

私の一番のお気に入りだった「ナディムさんのまかないカレー(サグチキン)」(この写真は食べログ投稿にリンクしています)

普通のチェーン店ではこんなことは決してできないことなのですが、そういった懐の深さと柔軟性が上等カレーにはあるのだと、一つの職場としての魅力を外部の者ながら感じています。

 

■上等カレー飯田橋店そしてアルクロード

そのナディムさんが昨年か一昨年あたりから上等カレー飯田橋店の店長さんになりました。

上等カレー飯田橋店

そして、さらに今年2022年はその上等カレーの同じ店内の2階に「アルクロード」というスパイスカレー店を登場させたのです。「スパイスカレー」という言葉は、本来は大阪で2014年頃に始まった日本の新潮流のカレーのことなのですが、いつのまにか一部のインドカレーとも混ざってしまって、大半の人は「スパイスから作ったらスパイスカレー」と理解しており、大変誤解を招きやすく定義不明です。そこでもう少し具体的にいうと、ナディムさんの北インド料理の腕前を反映させた特別なカレーを提供するお店とでもいうこととしましょう。

 

さあ、店に入ります

■上等カレーの2階

アルクロードは、上等カレー飯田橋店の店内2階にあります。

店内入ってすぐ右の階段を上るとアルクロードになります。

1階の上等カレーが満席の時には、こちら2階のアルクロードでも食べられるという構図です。

2階にあがると上等カレー同様のカウンター店ではあるのですが、内装がちょっとお洒落で、やはり上等カレーとは一段差別化していることが理解できます。

 

■食券を買います

券売機を見て、さて何を買おうかと悩みます。周りにちらしや貼り紙があるので、そちらをよく眺めた方がよいようです。そう考えるとすいている時間を狙ってくることがオススメだと思います。私は開店直後の時間を狙ってきました。

 

ちらしを見ると「北インドスパイスカレー」と表現した内容になっています。つまり、「スパイスから作ったらスパイスカレー」という一番多数派と思われる理解に従って、そこに「北インド」という記号で領域に線引きしています。「北インド料理もいろいろだ。ナンカレーばかりではないのですよ。」ということを伝えたいというのが、おそらくナディム店長のメッセージなのではないかと思っています。このメニューを見ても、どこにもナンカレーの様相が見えません。でも、北インドを楽しむコンセプトでこれらのメニューは用意されているのです。

■北インドカレー/北インド料理

そういえば、北インドカレーと言われたら、こんな写真みたいなカレーを想像しませんでしたか。

代表的なナンカレー:マンダラのチキンバターマサラとダルカレー&ナン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たしかに、これも北インド料理系のカレーの一つです。ただ、インドと日本の間では、食文化のカテゴリーとして決定的な違いが存在します。それは、レストラン(飲食店)で食べる料理と家で食べる家庭料理とは、まったく異なる食のカテゴリーと位置付けられていることです。日本ではラーメン屋で食べても家で食べてもその内容の違いはあれ、同じラーメンというジャンルで括られるのですが、インドではそれが異なるのです。

イメージ画像です

考えてみれば分かるでしょう。あの涙型のでっかいナンって、あなたの家のキッチンで焼けますか?インドの家庭でもあんなに大きなものは焼けないのです。ですから、あれは特別なお屋敷や高級レストランでした作れないものなのです。そのナンに合わせればパンですから、必然的に合わせやすいカレーがどろどろ高粘度ということになります。でも、家庭のカレーって結構さらさらしているものも多いし、ナン以外に様々に合わせて食べる料理があるのです(インドにカレーという料理はないという議論は高度な話なのでここでは対象外とします)。

イメージ画像です

というわけで、ナディムさんがプロデュースしたカレーって、ちょっと一般的な想像と違いますよね。もちろん、オリジナルのメニューですからインドの料理屋さんにこれがあるというのではなくて、ナディムさんが培ってきた北インド料理のエッセンスが表現されていると考えるのが妥当でしょう。

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■そして、私はこれを食べるんです

まわりを見渡したら、見つけましたよ!

私の大好きなメニューが!

スペシャルメニューがハリームカレーとなっていました。ハリームというのは、肉と豆をよく煮込んで作るカレーです。過去に小生も作ったことがあるのですが、6時間もかかる大変な工程を踏むカレーでした。肉を煮崩れるまで煮込み、3種類の豆そしてアタ粉(インドの全粒粉)をそれぞれに調理して最後にすべてを合わせてまた煮込むという大変手の込んだものなのでした。

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参考まで小生がハリームを作った記録のリンクをつけておきます。

自作ハリームの写真:クリックすると作った時の記録(Amebaブログにリンクしています)

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富山県射水市や埼玉県八潮市あたりにいくと、パキスタン人居住区あたりでよく目にするメニューで、とてもおいしいのです。北インド料理として用意されたハリームですので、おそらくインド北西部のグジャラート州、ラジャスタン州、あるいはパンジャブ州あたりに由来するのではないかと想像しました。これはMUST EATだと私の直感が呼び掛けてきました。

買いましたよ。

ハリーム実食です

スペシャルセットの登場です。青い皿の上には、真ん中にご飯があって、まわりにアチャール類がたくさん並んでいます。大サービス感あります。

ハリームというのはこちらの器。

スプーンですくって、食べてみると、過去から私が知っているハリームよりも更に濃厚でスパイシーでおいしい一段格上な感じがします。

やはり一流店出身のナディムさんならではのハリームなのだと思います。

 

まさか上等カレーの2階でハリームを食べられる日が来るなんて夢にも思っていませんでした。名シェフのナディム店長と神田地区をマネジメントする上等カレー東京がチームで起こした奇跡だと感じるのでした。しあわせだなあ〜♪

チェーン店の経営傘下だからって馬鹿にしたものではありませんね。能力と意欲のある人と善意のあるマネジメントがあればチェーン店だって変わるチャンスがあるのだと教えられた気がします。

 

今日もいいスパイス記念日になりました。

めでたしめでたし

 

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ゴーグル仮面のカレー屋さんマップにも登録しました。神田カレー街食べ歩きスタンプラリー2022参加店は♡マークで場所を示しています。アルクロードはスタンプラリーBコースなので青です。


[食べログ] アルクロード飯田橋店 https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13264466/

 

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